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日本酒って、割るのもアリ!?おすすめの割り方や上級編の愉しみ方を紹介

日本酒って、割るのもアリ!?おすすめの割り方や上級編の愉しみ方を紹介

日本酒といえば冷やしたり、燗をつけたり、常温で飲むなど温度で味わいを変えるイメージがとても強いように思いますが、最近は日本酒を割って嗜むひとたちが増えてきているようです。「日本酒を割る」って、本当においしい飲み方なの?そもそもそんなことしていいの?伝統に反していないか?なんて少し疑念や背徳感のようなものを感じられる方も少なくないのではないかと思いますが、安心してください。日本酒のおすすめの割り方を提案するプロも増えています。ということで今回は、日本酒のおすすめな割り方について紹介していきます。

にごり酒にはビールを。

日本酒をビールで割ると、日本酒の甘みとビールの苦みが良いバランスとなり、飲みやすい味わいになります。その中でも、にごり酒をビールで割るとさらにコクのある味わいに変化するためおすすめです。「にごり酒」とは白く濁った日本酒のことをいいますが、にごり酒には澱(おり)という溶け残った米や、酵母などの微生物が浮遊しています。そうした成分が日本酒にコクや旨味を与えているのですが、そこにビールがプラスされるとさらに澱の複雑味が引き立てられ、クセになる味わい深さが生まれるのです。

ちなみに、澱が少なく淡いにごり酒には、クラフトビールなどのコクの深い重めのビールが合いやすく、澱が多く含まれている濃いめのにごり酒には、爽やかで軽快な味わいのビールが向いています。

燗酒にフルーツをあわせて「燗グリア」

燗酒とサングリアをかけあわせたのが「燗グリア」。「丹澤山」の蔵元である川西屋酒造店が提案しているこの飲み方では、フルーツと日本酒のマリアージュが追求されています。

ドライフルーツや、生の果物をつけて飲むと、フルーツの甘味がプラスされて味わいの広がりが楽しめます。入れたらしばらく置いておいたり、マドラーでかき混ぜたり、つついて味を調整したりすることで変化する風味も楽しむことができます。フルーツにも日本酒が染み込んで、おつまみとしてもおいしく召し上がれます。

組み合わせの相性を考えるときのポイントとしては、風味が似通ったものどうしを合わせると良いです。日本酒は、吟醸香と呼ばれるフルーティな香りが漂うお酒を選びましょう。吟醸香には、カプロン酸エチルと酢酸イソアミルという2種類の成分が関わっていますが、どちらの含有量が多いかによって相性の良いフルーツが分かれます。カプロン酸エチルが多く含まれている場合は、リンゴやナシ系の香りがしますので、リンゴやナシなどのサッパリとしたフルーツとの相性が良いです。一方、酢酸イソアミルが多いとバナナやメロン系の香りがするため、甘めのフルーツがよく合う傾向にあります。

また(株)FARM8によると、日本酒の甘口・辛口によっても相性の良いフルーツが分かれることがわかっています。

まず、辛口の日本酒には、桃やリンゴ、ナシのように果肉が甘いフルーツと合わせることによって酸味と甘味のバランスがとれて、香りも引き立ちます。また、甘口の日本酒にはゆずやレモン、オレンジなどの柑橘系や、いちごやブルーベリーなどのベリー系のフルーツとの相性が良いといわれています。お酒の甘さとフルーツの酸味が合わさって、ちょうど良い味わいになります。

牛乳でヨーグルト風味に。

日本酒は乳製品との相性も抜群です。牛乳で割ると、牛乳の甘みがプラスされてアルコールの辛さが抑えられ、まろやかなヨーグルトのような風味が楽しめます。また、フルーツのような吟醸香のする日本酒と合わせてもいろんな味わいが楽しめます。例えば、バナナ系の吟醸香を持つ日本酒に牛乳を混ぜると、バナナミルクのような風味が出て、とても飲みやすくなります。他にも、レモン汁を加えてとろっとしたラッシー風にしたり、深みや渋味のある日本酒にコーヒー牛乳を混ぜてちょっぴりオトナなコーヒー牛乳に仕立てる飲み方もおすすめです。

【上級編】“ちょい足し”でさらに新しい扉を

さらにツウな嗜み方として、「割る」のではなく「足す」という発想があります。日本酒にはない香りや味わいをプラスすることで、日本酒にフックをつくり、アテの料理に寄せるための新しい技法です。ここではおすすめのちょい足しを3つご紹介します。

・にごり酒 x 山椒

ミカン科である山椒をにごり酒にふりかけると、麹臭さが抑えられて柑橘系の香りをまとい、爽やかな味わいに変化します。

・ほうじ茶

ほうじ茶の茶葉には、日本酒の製造工程では出てこない、タンニン由来の渋味が含まれています。タンニンはひとの舌や口腔粘膜のタンパク質と結合するため、料理とお酒の合う幅がとても広がります。50℃くらいに燗をつけて茶葉を入れ、こすのがちょうど良い味わいになります。

・ミント

ミントはメントールという爽やかさと冷涼感を醸し出す香気成分を含んでいるため、日本酒に一枚浮かべるだけで、米由来の甘みを爽やかな味わいに変えて味わいを軽快にする効果があります。アミノ酸の多いお酒や、生で熟成した日本酒に合わせるのがおすすめです。

以上、日本酒のオーソドックスな飲み方観を覆すような「割り方」と「ちょい足し」について紹介しました。いかがでしたでしょうか。日本酒のカスタマイズの選択肢が広がれば、その分、料理との相性の幅も広げることができます。どこまでいっても日本酒の世界は奥が深いですね。

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